ドップラー・ライダーが切り拓く、競技力向上と新しい観戦体験

背景/課題

セーリングは、風向・風速といった自然条件が勝敗を大きく左右するスポーツです。一方で、従来の大会運営や競技現場では、風の状況把握は経験や感覚に頼る部分が大きく、広範囲かつリアルタイムで風況を把握・共有する手段が限られていました。
また、観客にとっても、レース中の戦略や駆け引きを直感的に理解することは難しく、競技の魅力を十分に伝えきれないという課題がありました。

経緯

セーリングへの取り組みは、当社の国産ドップラー・ライダーによる風況を可視化する技術的貢献だけではありません。人々に夢や希望を与えることができ、国境や言葉の壁を越えてつながることのできるスポーツという人の挑戦と可能性を体現するフィールドで活かしたい、そして当社でこれまで力を合わせて積み上げてきた技術で、競技の強化・育成や大会運営に寄与して未来の発展に繋げたいという思いで携わっております。

本取り組みのきっかけは、当社に出資いただいているヤンマーベンチャーズ株式会社が繋いで下さったご縁に加え、「人の豊かさ」と「自然の豊かさ」の両立を掲げ、テクノロジーで挑戦を後押しするヤンマーグループの理念への共感にあります。自然と向き合い、人の判断と技術が融合するセーリング競技は、当社が目指す価値観を体現する舞台であり、風を“読む”技術で競技と大会の未来に貢献できると考えました。

2024年11月の国際ヨットレース「BIWAKO DRAGON INVITATION 2024」では、ドップラー・ライダーを用いた世界で初めてとなるリアルタイム風況観測データの会場配信を実施。
この取り組みが国内セーリング関係者の注目を集め、2025年にはセーリングのナショナルトレーニングセンターである和歌山セーリングセンターにて開催された国内主要3大会へと展開しました。

実施内容

観測された風況データは、用途に応じて2種類のUIを開発しました。自社開発の2D UIとパートナー企業である株式会社Red Dot Drone Japanとの3D UIで可視化しました。

2D表示:地図上に風速・風向を色や動きで表現し、競技者や運営が直感的に把握できる設計

3D表示:立体地形上に風を粒子や色で表現し、さらにレース中の各艇のGPSデータと連携することで、風と艇の動きを同時に可視化

これらのデータは、会場内大型ビジョンや、運営・関係者のタブレット・スマートフォン等で共有され、競技運営・安全管理・観戦体験の向上に活用されました。

成果・反響

この取り組みにより、以下のような効果が確認されています。

セーリング関係者からは、「ゲームチェンジャーとなる技術」「競技の理解と上達を加速させる重要な情報」といった評価も寄せられています。

今後の展開

メトロウェザーは、セーリング競技で培ったリアルタイム風況可視化技術とUI開発ノウハウを、スポーツ分野にとどまらず、さまざまなフィールドへ応用しています。
自然条件を「見える化」することで、人の判断を支え、安全性と価値創出の両立を実現していきます。