エコシップを目指した挑戦
「世界初、海上航行大型船舶へのドップラー・ライダー搭載による風況可視化」
背景・課題
海上輸送は、世界の物流と社会インフラを支える重要な役割を担っています。脱炭素社会が求められる中で、洋上風の利活用による船舶燃費改善の取り組みが多くの船で加速しています。更に、気象条件は、船舶の安全運航にも大きく左右されます。
これまで、航行中の船舶が船舶自身から離れた遠方の風況をリアルタイムかつ三次元で正確に把握する手段は限定的でした。これを実現することで燃費改善や安全運航等への大きな期待が寄せられています。
取り組み概要
メトロウェザー株式会社と株式会社商船三井は、メトロウェザーの長距離風況観測装置「ドップラー・ライダー」を、商船三井グループ会社である株式会社商船三井さんふらわあが保有する内航RORO船「むさし丸」に搭載し、東京―福岡間航路における実証実験をいたしました。ドップラーライダーは非常に精密な機器であり、これまでは陸上の見通しの良い平地に設置、遠方の気象を測定、把握する手段として多く利用されてきました。本実証実験では、陸上とは全く異なる気象・海象下、つまり、ゆれ、振動、塩害等の環境下で得られた知見をもとに、更なる技術発展に努め、世界中のエコシップへ貢献できる技術となることを目指しています。
海上航行中の大型船舶にドップラー・ライダーを搭載する取り組みは、世界初となります。
技術と実証内容
本実証では、ドップラー・ライダーにより、船舶から約10km先までの風況を三次元的にリアルタイム観測。
船上では、遠方の風況を可視化するとともに、DXの一環として高速データ通信システム Starlink を活用し、船上で取得した風況データなどのビッグデータを陸上へ配信しました。
協業の位置づけ
商船三井は、グループのコーポレートベンチャーキャピタルである MOL PLUS を通じてメトロウェザーへ出資しており、本取り組みは両社の継続的な協業の一環として実施されました。両社はそれぞれのコア技術と知見を活かし、海運業における新たな価値創出を目指しています。
社会的意義と今後
本取り組みは、商船三井グループが掲げる経営計画「BLUE ACTION 2035」における Innovation / Safety & Value / Environment の実現にもつながる、世界的に必要とされている課題解決を目指す取り組みです。
メトロウェザーは、風をリアルタイムに可視化する技術を通じて、海上輸送の安全性・効率改善に貢献し、持続可能な海運の未来を支えていきます。
参考情報
2024年3月8日 世界初「長距離風況計測装置」を海上航行する船舶へ搭載〜風のリアルタイム可視化によって安全運航と効率運航の実現をめざす〜
https://www.metroweather.jp/news/6735/