「社会課題を解決するライダー技術を」
この思いを今日まで胸に、2025年5月13日の創業から10年目を迎えることができました。

そして本日、お世話になってきた皆さまをお迎えした10周年記念式典「メトロウェザー株式会社創立10周年の感謝と今後の挑戦」をホテルグランヴィア京都で開催することができ、創業時の想いやメトロウェザーに関わる全ての皆さまへの感謝を胸に、今後の挑戦へ向けた揺るぎない決意を抱きました。

メトロウェザーの10年に、ご理解・ご支援をいただきました皆様や当社に可能性や未来を見出し、共に道を歩んでくださる皆様、京都・宇治の皆様、そして当社に関わってくださる全ての皆様に、心より感謝を申し上げます。また、当社発展のために活躍している従業員やそのご家族、そしてこれまで当社技術を築き、発展させていただいた技術開発の皆さまのご尽力に深く感謝申し上げます。

10年前、私と取締役副社長の東で立ち上げたメトロウェザーは、宇治市のマンションの一室からスタートしました。ここから、たくさんの方々との出会いや支え、そしていただいたご期待を力に、志を共にする従業員のおかげで、現在まで進めてこれましたことを嬉しく思っております。

「ディープテックスタートアップの10年生存率は6.3%」と言われる中でこの道のりは決して平坦ではなく、事業構築や研究開発において何度も高い壁に挑み続けました。ドップラー・ライダーの試作品完成までには5年がかかり、以降も改良を続け、現在では風況観測に加え、世界のライダー技術では類を見ない物体検知実証実験にも成功し、製品化を目指すところまで進化を遂げることができました。

今後の挑戦と未来ビジョン —15年目、そしてその先へ—
私たちは「未来の空を、もっと安全に。もっと自由に。」という新しい理念のもと、気象・空間情報のリアルタイム可視化を追求し、「“見えないリスクを可視化する”テクノロジーカンパニー」として社会全体の安全・安心を支えるインフラになっていきます。今や気候変動・自然災害・安全保障・社会インフラ高度化など、「空」へのリスク・社会的要求はますます高まっています。こうした時代背景にこそ、当社が培ってきた高性能ライダーのリアルタイム観測・分析技術が強い意味を持つと考えています。

今後も独自の信号処理/小型化ノウハウ/高度なデータ分析技術に磨きをかけ、防衛分野での即応性・信頼性だけでなく、民生転用(沿岸・港湾監視、海運、風力発電、災害監視、航空・空港管制など)でも役立つソリューション展開を加速します。さらに“Deep Tech×Defense Tech”スタートアップとして、社会インフラ、国家レベルの危機管理にも貢献していきます。

米国NASAやオクラホマ大学等、海外のパートナーと連携し国際標準の策定にも関与し、日本発のライダーテクノロジーが世界基準となる未来を着実に目指すとともに、ダラスでは世界初の水平スキャニング精度評価法を確立し、ASTMでの標準化活動も主導しています。今後は、既存ライダー改良型から高速回転ミラーレス・次世代物体検知型・海上仕様へと、2025~2030年の段階的製品進化/本格量産化を推し進め、米国防衛予算もターゲットに、より大きな市場・実装を推進してまいります。

今日まで支えてくださった全ての皆さまへの最大限の感謝、そして“これからの空”と“新たな挑戦”への強い覚悟――これを新たなスタートとし、皆様とともに歩み、成長し続けてまいります。

今後とも、一層のご支援・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

2025年10月25日
代表取締役社長
古本 淳一